労働基準法、労働安全衛生法、最低賃金法に対する違反などは労働基準監督署による臨検などで是正勧告を受けます。
労働基準監督官は司法警察員として犯罪捜査と被疑者の逮捕を行う事ができ、悪質な場合は送検されることもあります。(監督署には手錠があるそうです)

労働基準法等には罰則規定があり刑法と同じように扱われるからです。

労働基準法違反で逮捕される事はないだろうと考えている経営者の方も多いのですが、年間1,000件程度は送検されています。

労働基準法、労働安全衛生法、最低賃金法に関しては社会保険労務士も労務管理の一環としてアドバイスを企業にしていますし、労働基準監督署の臨検の場合は立ち合いをしたりもしています。
さて話は変わりますが、新聞を見ていてこのような記事に目が留まりました。両方とも平成26年10月17日のニュースです。

一つ目は、個室で男性客に女子高生の体臭を嗅がせるなどをしていたとして、経営者の男性(33)と元店長(25)の両容疑者を警視庁少年育成課が労働基準法違反(危険有害業務への就業)で逮捕しました。

(このようなものに需要があることが信じられませんが)
二つ目は、大阪区検が校正印刷会社の従業員17名が胆管がんを発症し9人が死亡したとして労働安全衛生法違反で会社と代表者(68)を略式起訴しました。
従業員が50名以上であるれば産業医と衛生管理者を選任しなければなりませんが、選任しおらず労働者の健康管理を怠ったとしています。

新聞では刑事罰としての略式起訴の件だけが掲載されていましたが、このような事が起これば当然労災保険が適用になり、民事的にも安全配慮義務違反となり損害賠償が請求されているでしょう。

企業の経営者の方も労働基準法等を甘く見るべきではないでしょうし、我々社会保険労務士も適正なアドバイスをして行かなければならないと再確認できる事件でした。