今回の社会保険労務士法改正により次の条項が追加になりました。

第二条の二

社会保険労務士は、事業における労務管理その他の労働に関する事項及び労働社会保険諸法令に基づく社会保険に関する事項について、裁判所において、補佐人として、弁護士である訴訟代理人とともに出頭し、陳述をすることができる。

前項の陳述は、当事者又は訴訟代理人が自らしたものとみなす。ただし、当事者又は訴訟代理人が同項の陳述を直ちに取り消し、又は更正したときは、この限りでない。

この条文を読む限り補佐人として出廷陳述できるのは特定社会保険労務士だけではなく、特定の付記がない社会保険労務士でも可能です。

元々、社会保険労務士には労災の決定に不服がある場合などの審査請求や再審査請求の代理業務(事務代理)が可能でしたが、再審査請求でも主張が認められず訴訟をした場合、今までは完全に弁護士にバトンタッチしなければならなかったのが、補佐人として続けて関与が出来ることになります。

また、特定社会保険労務士が裁判外紛争解決手続(ADR手続)で、個別労働紛争を解決出来なかった場合に、訴訟した場合も同様です。

しかし、この条文だけではわからないことが一点。

(特定の付記がない)社会保険労務士の顧問先で個別労働紛争が起こり裁判となった場合に、当該社会保険労務士が補佐人として出廷陳述できるのでしょうか?

だとすれば、拡大解釈をすれば、裁判外紛争解決手続(ADR手続)で代理人が弁護士と共に補佐人してあっせん等に参加できるのでしょうか?

今までは特定社会保険労務士でなければ、あっせん等には補佐人としても参加できませんでした。

順次明らかになって行くのでしょうが、今のところ疑問ですね。