平成25年12月9日産経新聞による報道です。
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居酒屋チェーン「ワタミフードサービス」の新入社員だった森美菜さん=当時(26)=が過労自殺したのは、会社と経営陣が安全配慮義務を怠ったためなどとして、両親が9日、創業者の渡邉美樹参院議員ら会社側に「懲罰的慰謝料」を含む約1億5300万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。
代理人弁護士によると、懲罰的慰謝料の請求は過労死・過労自殺をめぐる民事訴訟では異例。被告は同社と持ち株会社「ワタミ」の法人2社、当時ワタミグループを率いていた渡邉氏ら個人3人としている。
訴えによると、森さんは平成20年4月に入社し、神奈川県横須賀市の店舗で調理を担当。月約140時間に及ぶ時間外労働の末、手帳に「体が辛いです。誰か助けて下さい」と書き残し、6月に飛び降り自殺した。過労自殺として24年2月に労災認定されている。
渡邉氏には、全従業員に「24時間働け」などとげきを飛ばす言動があったとして「労働者の安全や健康に対する配慮がみられない」と指摘。懲罰的慰謝料を求める理由を「全従業員の過重労働でまかなえる程度の慰謝料では、悪質な過労死を防げない」と説明した。
都内で記者会見した父の豪さん(65)は「なぜ娘が亡くなったのかを答えてほしいという一点で提訴した」と話した。
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この事件のその後を追いかけると「平成26年3月27日。初めて出廷した当時の経営トップ、渡辺美樹氏(現参議院議員)が、法的な責任は認めなかったものの、道義的責任は認めて、両親に対して初めて面と向かい、頭を下げた。」と報道されています。
同日「ワタミは運営する居酒屋の1割となる60店は平成26年度中に閉店すると発表した」と報道されています。人手不足のために店舗運営がままならない状態だと言われています。
景気回復のため飲食業では人手不足であるのは確かですが、休みの日にもボランティアで研修をしなくてはならないような会社作りにも問題があるのではないでしょうか。
さらに、女性が亡くなったのが平成20年。今年は平成26年。でやっと渡辺氏は頭を下げた。6年が経過しているのです。あまりにも遅すぎたのではないでしょうか。
亡くなった森美菜さんのご冥福をお祈りしつつ、仕事で人が死ぬなどないような社会にして行きたいと考えます。